2024年3月30日土曜日

Practice Leaderたちの来日をホストする

前回のイベント報告エントリにも少し記載しましたが、丁度先週グローバルからCSMのPractice Leaderと呼ばれるメンバーが来日していました。まだ歴史の浅いCSM、特に私が担当するAutomation製品チームにとっては初めてのことで、とても刺激的な1週間でしたし、私もメンバーも、これまで以上にグローバル・カンパニーで活動していることを認識出来ました。

この話はもともと2023年秋ごろに、彼らのほうから、世界各国のCSMの教育ツアーの中でAPAC地域に行く予定があるが、日本も興味があるか、と問い合わせを受けたところから始まりました。もちろん私としては是非実現させたかったため、彼らと具体的な相談を開始し、結果的にこの3月日本単独での実施する、という内容で合意しました。Slackでのメッセージのやりとりが中心ですが、2回ほどWeb会議で会話しました。いつものことですが、東海岸とのリアルタイム会議は時間設定が大変ですね。
さて、このブログエントリでは、今回の経験についてを記載します。

CSM Practice Leaderとは

私たちCSMは、Data&AIやAutomationなど、いくつかのカテゴリに分かれた上で、専門分野を持って活動しています。CSM Practice Leaderは、それぞれの領域に存在して、私たちCSMが活動する上でのPlaybookを執筆し、私たちCSMへの教育を担当し、毎週セッションを開催し、困りごとがあった場合の相談先になってくれたり、と専門性の観点から世界中のCSM全員に対するリーダーとして行動します。彼らは製品開発部門とも近く、社内の専門家とのリレーションが強いのも強みです。
私も、困った時は真っ先に相談していますし、逆に彼らのほうから、新しいニュースのアップデートを入れてくれたり、「この案件は大丈夫か」と声をかけてくれたりもします。

今回は、以下の3名のリーダーが来日しました。

  • App Modernization (RuntimeやIntegration)を担当するVishy氏
  • IT Automation (APM, ARM, AIOps)を担当するHollis氏
  • Business Automation (Workflow, RPA, Process Miningなど)やwatsonxを担当するDi氏

CSM Enablementセッションの開催

今回の大きな目標の1つは、CSM向けの研修を実施することでした。普段はリモートで業務をすることが多い私たちですが、この日は一か所に集まって、1日詰め込んで彼らが持ち込むセッションを受講したり、 ディスカッションを行いました。
例えば、以下についてがトピックです。

  • 生成AIと連携した事例/ユースケースについて
  • 製品ロードマップや、トレンドについて
  • CSMが遭遇する、各種ケースにおける対応方法(Playbook)
  • モダナイゼーション、コンテナ化について

そして、多くのディスカッションをしました。例えば、メンバーのスキルアップをどのように実施していくか、などについて。
これまで、文字ベースであったり、Web会議、動画などで聞くような機会がありましたが、直接のコミュニケーションだと説得力も増すし、困難なアクションなども感情共有がしやすく、グローバルチームとの結束が高まりました。
日本チームは、言語的な事情でどうしても存在感が薄くなりがちですが、私たちをよく理解してもらえたこともよかったです。

イベントへの参加

今回たまたまではありますが、関連するユーザーイベントがこの週にあったため、彼らを連れて行きました。

このwatsonxのイベントでは、Di氏がwatsonx Orchestrateに関してプレゼンをしました。
私としては本当はHollis氏を、Instanaのユーザーコミュニティにお連れしたかったのですが、この週に開催がなかったのが残念でした。次回こそ実現したいです。

また、イベント以外にも、個別にお客様を訪問させて頂いたり、パートナー様とディスカッションをさせて頂く時間を頂きました。現在のステージを、新しい技術を使ってどのように高めていくのかや、現在の課題などに関する会話へお付き合い頂きました。

英語について

このようなイベントを実施すると、やはり気になるのは、英語についてです。私自身は、資格で言えば英検1級持ちですが、それでもWeb会議しているときから、やや不安はありました。月曜最初は、私の適応力は不完全なところがありましたが、1週間お付き合いすることで、彼らの発音(癖があり、かなり早口)や会話スタイルにも慣れ、また話す内容に関する知識も充実してきたので、通訳するのもあまり不安はなくなりました。
チームのメンバーも、最初は不安があったと思いますが、懇親会などで交流することで、案外何か言ってみればブロークンでも通じることがわかったようで、名前や顔も覚えてもらい、今後の仕事がやりやすくなったと思います。外国人との英語での密なコミュニケーションが人生初めてのメンバーもいたと思うので、国際経験としてもよいものになれば、と思います。

祝日を丁度含んでいたので、ちょっとした観光案内もすることが出来ました(私はペーパー通訳案内士)。来日されたリーダーの1人はベジタリアンだったので、私も珍しく、修学旅行以来の精進料理を経験することが出来ました。

 


準備について

今回は3名が別々に行動する日も多いため、全員のスケジューリングを別々に作成しました。お会いする方とのお約束、同行者、通訳、アジェンダを決めて、移動時間などを考慮の上、タイムテーブルを作っていき、空いた時間に社内のディスカッションなどをいれ、欲張り気味にスケジュールを作りました。また、食事や懇親会についても、3人が満足できるように計画したり、オフィスへの入館申請、当日朝の待ち合わせ、などなど、そして、私たちCSM全員を1名1名彼らに覚えてもらうための仕掛けを考えたり、と、大変ではあったのですが、楽しい時間でした。

刺激的な1週間でしたが、ここで学んだことや、繋がったことを活かしてこれから活動していくことこそが大事なので、ここで減速することなくやっていかねばと思っています。

次回は彼らの期待値ももっと高まるはずで、それを上回るセッティングを含む、機会を作っていかなければなりません。でもきっと楽しくやれそうです。

2024年3月23日土曜日

IBM Integration / WebSphere コミュニティMeet-upに参加してきました。

先日のエントリでは、「IBM Integration / WebSphere コミュニティMeet-up」のご案内をしましたが、私もCSMメンバーを何名か連れて参加してきました。

IBM Communityのブログでは、その開催報告が早速投稿されており、全体的な報告としては、そちらを見て頂くとよいと思いますが、私も個人的な視点で書いてみます。

【2024年3月21日】IBM Integration / WebSphere コミュニティMeet-up 開催報告 

イベントの最初は、関連部門の紹介から入りました。IBMの中にいると、TechSales, CSM, Client Engineering, ISEなどの言葉はもちろんよく聞きますが、このように各部門から一言ご紹介出来たことはとてもよかったと思います。特にCSMやClient Engineeringは、組織としての歴史も浅いし、新しいロールのため、皆様によりご理解して頂くためのよい機会でした。
各チームの紹介は5分であったため、私もすごい早口になってしまいましたが、CSMがポストセールスの技術職でありつつも、サービスやサポートではなく、お客様の製品利用の価値を高めビジネスに活用し、技術的にもより高いステージへ向かうお手伝いをしていくロールであることをご紹介させて頂き、そしてグローバルプラクティスに基づいて活動していることを紹介させて頂きました。丁度、USから、WebSphere/Integration分野における、CSMのPractice Leader(私たちCSMに対して、専門分野の観点で活動ガイドを作成したりスキルリードをする)であるVishy氏が来ていたのを紹介することが出来てよかったです。

私の古巣であるISEも、組織紹介の枠をもらっていたことも嬉しいことですが、その中で、ISEが過去に大量に作成したIntegration系製品の資料を紹介していたことは、この領域での技術力を高めていきたい方には良い情報だったと思います。実は私も今年からIntegration系製品を担当するにあたり、急いで製品学習しておきたかったため、ここの資料をダウンロードしてKindleに入れて通勤時間に読んでいました。オリジナルのレポートブログにもありますが、以下の2つは要チェックですね。

Integration製品 日本語技術資料一覧
WAS Liberty 日本語技術情報一覧

IBM組織の紹介に続き、IBM Championプログラムの紹介、そして、パートナー様のご紹介があったのも、コミュニティとして成熟していくためにとてもよかったと思います。(Instanaコミュニティで活躍されてIBM Championになられた方々も多く、Integration / WebSphereコミュニティからも新しいヒーローが次々出るとよいですね)

組織紹介の後は、2つの班に分かれて、IBM Innovation Studioのツアーと、製品最新情報のご紹介が行われました。WebSphereの最新情報の中では、Libertyやモダナイズの話が行われましたが、この内容はまさに私たちCSMもお客様と次のステージに向けて会話をしているところであり、今回来日中のVishyも世界中でこのような動きがある、と語っていたことと重なりました。Integrationの最新情報の中では、MQ, ACE(App Connect), API Connect, Asperaなどについて紹介されましたが、ISEの専門家からMQクラスタについての詳細も解説されて、技術者にも楽しかったかと思います。
MQ, WAS といえば、Vishy氏が今回の来日の中で、これらの製品は今も主力として使われているし、MQに関していえば Event Stream など新しい形の Integrationがある中で、適材適所という形で残り続けるものである、とも言っていました。

その後の「共創ワークショップ」は6チームに分かれて、デザイン思考のスタイルで、主に Client Engineering組織のメンバーが引っ張る形で、皆さん初対面の中で上手くディスカッションをされていました。私はVishy氏を連れて、6つのチームを回っていたのですが、出てくる課題は世界中で出てくるものと同じであり、ワークショップのやり方もまさに同じである、と言っておりました。時々、「ドキュメントが残されていない」という課題に対して、「Observability(可観測性)製品を入れてみるというのはどうかな」と言うなど、面白いことも言っていました。

冒頭のCSM組織紹介の中で、Vishyを紹介した時に、製品フィードバックやご意見などがあれば、是非このイベントの中で声をかけて下さいと申し上げたのですが、セミナー後には、IBM Championの加藤様がVishyに話しかけて下さり、共通の話題であるRaleighのことなどをアイスブレークとして、いろいろと会話をされていたのを、私もとても嬉しく拝見いたしました。
なかなかグローバルタレントをユーザーコミュニティに連れて行くにはタイミングが合わないのですが、私たちCSMが経由してお伝えすることも出来るので、今後も機会があれば是非交流させて頂ければと思います。

全体の集合写真は、コミュニティのブログでも紹介されています。
私たちCSMも当日の参加メンバーで撮影して頂きました。楽しい1日でした。

2024年3月12日火曜日

3/21 IBM Integration&WebSphere コミュニティ Meetupのお知らせ

イベントのお知らせエントリになります。

3/21(木)の13:30-18:00に、日本アイ・ビー・エム虎ノ門本社で、IBM IntegrationおよびWebSphere製品に関するテクニカルコミュニティの meetup を開催いたします。

IBM Integration&WebSphere コミュニティ Meetup, sponsored by IBM TechXchange 

内容ですが、IBM虎ノ門オフィスのInnovation Studioツアーであったり、共創ワークショップであったり、新しい体験をして頂けるようになっており、またあわせて製品の最新情報のご紹介も行います。

私が所属するCSMからも何名か参加予定で、各組織紹介のところでは、私からCSMのご紹介をさせて頂く予定です。
CSMはグローバル組織であり、実は当日は私たちCSMの日々の活動を定義するPlaybookを準備したり、また技術の教育や推進、戦略を考えている Practice Leader がちょうど来日中ですので、一緒に参加してもらい、日本のコミュニティを体感してもらおうと思っています。

日本のユーザーからのフィードバックなども、是非聞きたいと思っておりますので、もし当日会場で外国人を連れている私を見かけたら、是非お声がけ下さい。通訳というほどではないですが、コミュニケーションのお手伝いもさせて頂きます。



2024年3月7日木曜日

Instanaユーザー会に参加してきました

 APM(Application Performance Management)製品である、IBM Instana Observability のユーザーコミュニティである "Instana Observability User Group(Instanauts_jp)"ですが、毎月のオンライン開催に加え、3カ月に1回のオンサイト開催があり、本日私も参加してきました。

Instanauts_jp#4 みんなのInstana 全社展開とAI Observablity

会場は新宿にある Airitech 様のオフィスで、30名近くが集まって、製品事例や機能を学び、相互交流を行う素晴らしいイベントでした。司会は私のチームのCSM河野さんでした。

臨場感のあるレポートは、X(Twitter)がよいと思いますし、詳細を学ぶには、今後投稿されるであろうスライドや関連Qiita記事を見るのがよいと思いますが、私が気になったところや、是非共有したいところを抜粋します。

最初は、スポンサータイムということで、Airitech様からのお話がありました。
まずはなんといっても、この Instanaをテーマにした漫画が公開された件です。直感的でわかりやすいですし、このようなタレントが社内にいらっしゃって素晴らしいです。

 それから、みんなでナレッジを公開して共有していこうというお話がありました。具体的には、IBM Communityの1つである「IBM TechXchange AIOps Group Japan」のフォーラムに投稿しようという話です。私自身は、長らく別製品(Lotus Notes/Domino)が、1990年代からグローバルレベルでフォーラムを使って情報蓄積してきた経緯を知っているので、大賛成ですし、是非単発で終わらず、みんなの力でこれを作り上げていければと思います。私のチームメンバーも回答などで貢献出来ればと思いました。

投稿例:
Instanaでシステム影響度(Impact)の高い処理を抽出する方法はあるでしょうか? 

それから、IBM TechXchange 2024 @ Las Vegas でのスピーカーを目指そう!という話も刺激があってよかったです。ランゲージバリアというのは大きく、どの製品コミュニティでもなかなか日本からのメッセージは伝わりにくいのですが、愛が強いところは、それでも一目おかれます。
丁度スピーカー公募も始まったことですし、まずは応募することが大事です。もしネタがあって公募を悩んでいる方、英語だからと躊躇されている方がいれば、是非私もお手伝いさせて頂くのでご連絡を頂ければと思います。

次は、GMOあおぞらネット銀行様から、「 Instanaを全社展開したらこうなった!」というタイトルでの講演。

全社展開において「リアルタイム」「障害対応」「共有」というキーワードで進めてこられてきた経験を共有頂きました。
devopsだけでなく、ここに biz も入ったトライアングルを目指されている点は興味深く、ネットバンクさんとして、エンドユーザーからのアクセス状況が可視化されてリアルタイムで把握できる点は、確かに、強力なのだろうと思いました。
全てのサービスをInstanaで可視化」「APMの民主化」など、パワーワードも飛び出し、共感度の高いセッションでした。QAも盛り上がりました。
まだまだ、Instanaを使い倒して頂けそうですが、こういう現場のニーズから、製品の価値が高まって行くのはとてもよいですし、それほど是非日本発として Vegas で発表したいですね。

続いて、IBM平岡さんから、「OpenLLMetryとInstanaで始める大規模言語モデル(LLM) & AIアプリケーションのAI Observability入門」という、技術難易度高めなセッションがありました。

生成AIとInstanaの関係という話から入りましたが、このセッションは、Instanaに関係する数あるロールの中から、「AIエンジニア」がInstanaを活用することで価値を高めることが出来る、というセッションでした。
OpenLLMetryという言葉が出てきて、馴染みのない方がほとんどだったでしょうが、LLMアプリケーションの監視に使える技術で、OpenTelemetryをベースにLLM出力とデバッグ機能を拡張したOSSだそうです。実際のデモでは、生成AIへの入力を行いながら、それをInstanaで可視化出来ることを示していて、わかりやすく説明されていました。Instanaの新しいユースケースの可能性と言えるのだと思います。

最後に、IBM Champion担当として、力強く、ご参加の皆さんへIBM Championをご紹介されましたが、強い製品コミュニティからIBM Championというのは次々生まれて行くものですので、是非多くの方に目指して頂きたいと思いますし、そのご支援をしていきたいと思います。

セッション最後は、CSM古川さんとJackyさんから、最新機能のご案内。
ステータスページや Self-Hosted の新しい形(K3s)、Turbonomicとの連携などが共有されました。
SaaSをお使いのお客様には影響はないですが、多様な環境をサポート出来るInstanaという意味で、私はK3s版についてが気になりましたし、ステータスページのような些細なものも、本日のような場で共有出来てよかったと思います。

終わった後は、ドリンクや軽食でネットワーキング。私も、予想もしない方から声をかけられて、かなり驚きましたが、よい出会いになりました。

次回のオンサイトは、6月になりそうですね。楽しみです。